「日本の夏祭り」
日本人は、すべてに神(八百万・やおよろず)が宿ると信じており、自然と神様に感謝し生きることを喜ぶために行ってきたと言われています。そこで今回は、日本のお祭りの起源と夏を楽しむ風物詩の夏祭りについて触れてみたいと思います。
お祭りの起源は、歴史書の古事記(712年)に「天の岩戸隠れ」という神話に記されています。 太陽の神であった天照大御神(あまてらすおおみかみ)には弟の須佐之男命(すさのおのみこと)がいましたが、力が強くていたずら好きだった為、いつも周りに迷惑をかけていたそうです。その様子に天照大御神は心を痛め岩戸の中に隠れ、太陽神のいない世は暗く災いの多い世界となってしまいました。困り果てた八百万の神々は話し合い、太陽神を招き出すために岩戸の前で踊ったり歌ったりと宴をしたところ、その楽しそうな様子に誘われて太陽神が姿を現し、国に太陽を取り戻し再び明るい世を取り戻すことができたというお話です。
また、夏祭りは豊作を妨げる害虫や台風を追い払うことが由来で、「風除け」「虫除け」や「疫病退散」などを祈願するといった意味や目的が込められており、夏祭りの代表格には盆踊りがあります。
お盆の時期にお迎えしたご先祖様の霊をもてなし、一緒に過ごして送り出す神聖な行事と言われており、盆踊りの動きは手よりも足の動きに重点を置いて振り付けられています。
足・下半身の跳躍運動が神送りの意味をもつためで、天地の間にいる人間が地を踏むという動作には「地上にいる人間が地面を踏むことで、お盆にお迎えしたご先祖様の霊を封じ込める」鎮魂の意味があるそうです。
その他に、娯楽的な要素もあり地域の結びつきを深めたり、お盆に帰省した人々の再会の場になったりと、年に一度の夏祭りには様々な思いが託されているのではないでしょうか。
私の地元では、毎年小学校の運動場で夏祭りが開催されています。「子供おみこしパレード」「盆踊り」PTAや母親委員会、女性部会、先生方による「バザーコーナー」では美味しい食べ物、何が当たるかワクワクドキドキの「抽選会」、間近で迫力満点の「打ち上げ花火」と大盛り上がりです。
しかし、小学校合併に伴い閉校の為、35年間続いた夏祭りも今年は集大成です。「夏祭り、行かなきゃ損、踊らにゃ損」忘れられない夏の思い出にしたいと思います。
皆様も地域の夏祭りや、全国的に有名となっている大規模な夏祭りに参加し、人々の思いや願いに触れてみてはいかがでしょうか。
足のナースステーション 結び 平田 光代
監修:足のナースステーショングループ

