「冬至」
冬至は「二十四節気」の一つで、太陽の動きをもとに1年を24等分したもので、季節を表す暦として使われてきました。今年の冬至は12月21日で、この日を境に日照時間が長くなっていくため、「一陽来復」と呼び、太陽のパワーと共に運も上昇する日と世界中で祝われています。今回、昔から冬至には、かぼちゃを食べゆず湯に入る風習がありますが、その由来と意味について調べてみました。
冬至にかぼちゃを食べる風習は、かぼちゃは夏から秋に旬を迎えますが保存がきくため、一年中新鮮な野菜を食べられる現在と違い、冬の大切な栄養源だったと言えます。さらに古来、黄色は魔除けの効果があると考えられ、実が黄色くて栄養豊富なかぼちゃを食べて無病息災を願う風習も生まれました。また、かぼちゃは「南瓜(なんきん)」と言い「ん(運)」が付き、「運」を呼び込む冬至の七種といわれる、「にんじん」「れんこん」「ぎんなん」「きんかん」「かんてん」「うんどん(うどん)」など「ん」が2つ付いているのが特徴で、運が倍増する「運盛りの野菜」と縁起を担いで食べられるようになりました。
次に、ゆず湯に入る風習は、江戸時代に銭湯で「催し湯」として、冬至にゆずを入れたことが始まりです。香りの強いものは邪気を寄せ付けず、ちょうど冬至の時期に強い香りを放つゆずをお湯に浮かべ、また、ゆずは何年もかけて実をつけることから「長年の苦労が実るように」という願いも込められているようです。ことわざにも、「冬至にゆず湯に入ると風邪ひかぬ」と言われるように、単に体を温めるだけではなく、悪い気を追い払い開運を祈りさらに、血行促進や風邪予防、美肌、リラックスなどさまざまな効果が期待できます。
季節の移ろいの中で、伝統的に伝わる風習がある冬至は、太陽の力が復活し幸運をもたらしてくれる特別な日であり、これから訪れる厳しい冬を無事に乗り越えたいという切実な願いが込められていることがわかります。
体温が1℃下がると免疫力は30%低下し、代謝も12%低下します。「一陽来復」を祈りながら、ゆず湯でゆっくり温まり、かぼちゃなど七種を食べ、冬至を過ごしてみては如何でしょうか。
足のナースステーション 一歩 北島 民恵
監修:足のナースステーショングループ