「針供養」
和裁が好きな86歳になる母の裁縫箱にある針山を見て、高校時代に経験した針供養を思い出しました。それは、全校生徒が参加し、祭壇に用意された豆腐に針を刺していく行事です。当時は意味もよく知らず参加していたので、今回、針供養の歴史と目的について調べてみました。
針供養の目的は、
1、感謝と労い:硬いものを刺し続けてきた針を、柔らかいものに刺して労う事で感謝の気持ちを表します。
2、技術向上と安全祈願:針に感謝し、「針仕事が上達しますように」「針で怪我をしませんように」と祈ります。
3、物を大切にする心:「物には魂が宿る」という考えが古くからあり、普段使っている道具を大切にするという日本文化を現わします。
また、歴史は古く、中国から9世紀頃伝わり平安時代の貴族から、そして江戸時代に入ると庶民に広まりました。この頃の手芸や裁縫は生活の糧となり、女性の教養や技術の一環として、娘たちは母から裁縫を学び家庭内で重要な役割を担っていました。その針への感謝の念が深まって、針供養の発祥地であり女性守護や裁縫上達として信仰される淡嶋神社(和歌山県)から日本各地に広がっていきました。
針供養の方法は、豆腐やこんにゃくなどの柔らかいものに針を刺して、神社やお寺または自宅で供養します。行われる日は地域によって異なりますが、一般的には、「12月8日(事納め)」または「2月8日(事始め)」に行われています。
針供養は、物を大切にする心や技術の継承、そして女性の守護神への信仰が結びついた、長い歴史を持つ日本の伝統行事と言えます。私たちが普段使っているフットケア物品に、ニッパー、ヤスリ、ゾンデなどがあります。今回、針供養から学ぶ日本人の繊細で優しい「物を大切にする心」「感謝と労い」を忘れずに、技術の向上と安全を祈願し、日々のフットケアを行っていきたいと思います。
足のナースステーション一歩 北島民恵
監修:足のナースステーショングループ








