「Happy+=ハッピープラス」 No.29

「てるてる坊主」

紫陽花の鮮やかさが雨粒に映える季節を迎えました。作物が育つためには大切な恵みの雨ですが、長雨は晴れ間が恋しくなります。皆様も子どもの頃にてるてる坊主を吊るして晴れを願った経験をお持ちかと思います。今回は、てるてる坊主の起源や作法を調べてみました。

てるてる坊主の起源は平安時代に中国から由来したと言われています。大雨で村人が困り果てた時に、雨の神である龍神に「晴娘(ちんにゃん)」という娘が雨を止めるよう祈りました。娘が妃になる事を条件に龍神は雨を止ませ、お陰で村人は救われたそうです。それを知った村人は「晴娘」のことを、雲を箒で掃いたように晴れさせる娘という意味を込めて「掃晴娘(さおちんにゃん)」と呼ぶようになり、雨が続くと掃晴娘を切り紙で作り門にかけるようになったと言われています。

日本では、天気の司祭を旅の僧である「聖」(ひじり)や修験者が行っていました。聖の語源は、「日知り」で、天文や暦数に通じ日の吉凶を知る人という意味があります。修行時の坊主頭と白装束の姿から、白い「てるてる坊主」になったと言われています。

【てるてる坊主】の飾り方

  • ティッシュペーパーなどを丸めて頭を作り、白い布をかぶせる。
  • 首のところを輪ゴムでとめて、形を整え首のところに紐をつける。
  • 「てるてる坊主 てる坊主 明日天気にしておくれ~」と唱えながら、南の方角に太陽に向かって部屋と外の境界線の窓辺や玄関などに吊るす。
  • 晴れたら顔を描く。(晴れなかったら顔を描かずに処分する)  
  • 晴れたら頭からお酒をかけて、川に流して供養する。現在は、川に流すことが難しく、感謝して処分します。

※逆さに吊るすと、雨を願う「ふれふれ坊主」になるので気をつけましょう。

幼少から慣れ親しんでいる「てるてる坊主」には、古からの習わしや人々の願いが物語として紡がれており、てるてる坊主に願いを込めて晴天の空を見ることができたら、感謝をして楽しい一時をお過ごしください。

足のナースステーション 癒 竹藤 五月

監修 足のナースステーショングループ

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